True Health Journal

トゥルー・ヘルス・ジャーナル

果物とジュースの違い エピジェネティクス、テロメア、炎症誘発性経路、細胞シグナル伝達に関する研究

 

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科学雑誌「Nutrients」に寄稿された論文によると、果物を丸ごと食べるか、ジュースを飲むかによって、さまざまな方法で健康に影響を与えることが証明されました。

 

今回の記事では、科学記事:Ask the ScientistsとNutrientsの情報をもとに、果物とジュースの違いがどのように遺伝子発現の変更に関係しているのか、細胞シグナル伝達やエピジェネティクスについてお伝えします。

 

 

 

 

@USANA - THE HEALTHIEST FAMILY ON EARTH 

 

出典:Ask the Scientists

WHOLE FRUIT VERSUS FRUIT JUICE: YOU ARE WHAT YOU EAT (AND DRINK)


 

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「健康は食べ物で決まる」
"YOU ARE WHAT YOU EAT."
あなたはあなたが食べたもので出来ている。

 

 

これは古い諺(ことわざ)です。

 

でも、本当はどういった意味なのでしょうか。

 

 

基本的に、あなたの身体構成するものは、すべてあなたのを通して入ってきました。

 

あなたは、文字通りに解釈するならば、あなたが消費するもの、つまり、身体に良い食べ物身体に悪い食べ物、そして、身体にとって不快な食べ物で構成されています。

 

なので、あなたの食事、あなたが飲む水、そして、あなたが摂取する栄養補助食品総和が、あなた構成しています。

 

 

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しかし、それは物語のほんの一部にすぎません。

 

ユサナ・ヘルス・サイエンス社(USANA Health Sciences)で行われ、科学情報誌「ニュートリエンツNutrients」に掲載された新しい研究によると、科学者は、あなたが食べること(または飲むこと)が重大な影響を及ぼし得ることを証明しました。

 

 

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食べたり飲んだりすることは、実際に、あなたの遺伝子がどのように制御されているか、つまり、遺伝子スイッチ・オンになっているか、または、スイッチ・オフになっているか、ということに影響を与えることができるのです。

 

参考記事(英語版):Ask the Scientists
https://askthescientists.com/qa/what-is-cell-signaling/

 

参考記事(日本語訳):

細胞シグナル伝達 どのようにして細胞たちはお互いにコミュニケーションし合うのか - True Health Journal

 

 

果物やジュース全体の長所

 

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観察的疫学的証拠は、果物の摂取良好な健康促進することを一貫して証明しています。

 

ジュース果汁製品は、健康的な食事計画一部と見なされることが多いです。

 

しかし、果物丸ごと食べることは、一般的に、健康専門家によってジュースよりも好ましい、として推奨されてきました。

 

果物には食物繊維含有量があり、果物丸ごと食べること満腹感を得られるので、体重管理糖質制限には利点があります。

 

人々は、果物丸ごと使って食べる何らかの他の方法摂取するよりも、ジュース飲む様々な果物を取ることができるため、果物の摂取量がより多様になることがよくあります。

 

こうした違いがあっても、果物まるごと食べるのと、未加工(訳注:非加熱処理)のジュースを飲むのとでは、栄養的同等であると常に仮定されてきました

 

しかしながら、次でお伝えしますように、最新の科学的研究によると、これらの栄養的な違いが明らかになりました。

 

 

新しい研究 果物を丸ごと食べるか、ジュースを飲むかによって、さまざまな方法で健康に影響を与えることが証明されました

 

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ユサナ・ヘルス・サイエンス社(USANA Health Sciences, Inc.)の科学者による最新の研究は、ホール・フルーツ、つまり、果物まるごと食べるのと、果物ジュースにして飲むことの間に、もう一つの興味深い違いを明らかにしました。

 

 

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Nutrients 2017, 9(7), 752:
Fruit and Juice Epigenetic Signatures Are Associated with Independent Immunoregulatory Pathways

 

 

この研究では、さまざまな方法で健康免疫システム影響を与えることにより、実際には異なる健康上の利点与えるかもしれない、ということが判明したのです。

 

果物丸ごと食べる被験者と、果実ジュースを飲む被験者を比較したところ、DNA特定の領域で、メチル化、または、エピゲノムとして知られている化学的特徴大きく異なる、ということが、この研究によって発見されました。

 

 

エピジェネティクスは、遺伝暗号それ自体の変更というよりもむしろ、遺伝子発現変更によって引き起こされる有機的生物体の変化研究です。

 

エピジェネティック変化は、規則的で、自然な出来事です。

 

しかし、それはまた、年齢環境ライフスタイル病状など、いくつかの要因によっても影響されます。

 

 

エピジェネティクス意味説明する方法の一つは、一卵性双生児にしてみることです。

 

どちらの双子同一DNA、つまり、同じ遺伝情報を持っています。

 

しかし、彼らはまったく同じではなく、その違い年齢とともに、さらに明らかになっていきます。

 

これは、食事生活習慣環境病状、そして、細胞遺伝子読み取る方法影響を与えるその他の要因において、一卵性双生児であっても個人差がある、ということに由来します。

 

 

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この研究によると、果物丸ごと食べる消費者エピジェネティックな特徴つまり、遺伝子オン・オフ切り替えることを可能にする化学コードは、ある特定の経路に近い遺伝子強化されていました。

 

これらの経路は、免疫機能改善染色体完全性、そして、テロメア維持関連するものでした。

 

 

しかし、果実ジュース消費者の同じエピジェネティックな特徴は、炎症誘発性経路(pro-inflammatory pathways)に関連する遺伝子を中心に強化されていました。

 

(訳注:炎症とは、一般的に、病原体、感染または組織損傷に対する細胞の保護的反応です。これには、分子シグナルの複雑なカスケードを通して、異なる免疫細胞と血管の協調的なコミュニケーションが含まれています。ゆえに、炎症は、発熱、心臓血管系の症状、アレルギー性アナフィラキシー、線維症、自己免疫疾患などを引き起こす可能性があります。)

 

 

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科学論文の著者は、この違いの理由として、ホール・フルーツ、つまり、果物丸ごと食べることで、天然食物繊維豊富に含まれているという事実指摘しています。

  

一方で、ジュース作るプロセスの間に食物繊維取り除かれます



「私たちの研究で観察されたエピジェネティックな違いは、果物ジュースの間の食物繊維含有量変動起因しているのかもしれません」

 

と、この研究では伝えています。

 

 

「ほとんど消化されにくい分子である食物繊維は、一緒に摂取された栄養素消化率を変えます。」

 

「それによって、果物由来の栄養素吸収され、最終的に処理される部位メカニズム影響を与えます。」

 

腸管吸収率変動の多くは、腸内微生物叢(ちょうないびせいぶつそう)による栄養素分解変動起因している可能性があります。」

 

(訳注:腸内微生物叢とは、腸の中の微生物の集まりの分布状態のこと。)

 

 

結論

 

この研究論文は、ジュース果物消費が、遺伝子発現における異なる影響相関関係がある、ということを初めて結論づけています

 

さらに、この分析は、私たちの食事標的細胞シグナル伝達分子、そして、エピジェネティック経路の間の相互作用推進する分子メカニズム新たな光を照らしました。

 

 

追跡インタビューで、上席研究員論文寄稿者ロバート・シノット博士(Dr. Robert Sinnott)は、次のように強調しています。

 

 「明らかに、果物を丸ごと食べることは、果実ジュースを飲むことに対して、さまざまな健康上の利点があります。」

 

「子供たちに、果物全体を小さなキューブにカットして与えるのと、1杯のジュースを与えるのとでは、栄養的に同じではありません。」

 

 

論文共同著者ジェシー・ジョンソン博士(Jessie Johnson, Ph.D.)は、研究より大きな意味について以下のように語っています、

 

ホールフードとして素材丸ごと食べることから飲料栄養補助食品に至るまで、栄養摂取の仕方理解することは、

 

細胞シグナル伝達経路活性化し、細胞生理学調節し、そして、最終的には人間の健康どのように改善していくか

 

一人一人の栄養ニーズを、さらにパーソナライズするうえでの、大きな突破口ブレークスルー)となるでしょう。」

 

 

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伝統的に、食事から得られる栄養素は、いくつかの異なる方法発見されてきました。

 

それらは、たとえば、たんぱく質を形成するための構成要素や、酵素のための補因子のような構造成分、あるいは、フリーラジカル還元して除去するのに役立つ個々の抗酸化物質である、と見なされてきました。

 

しかし、栄養素は、そうした発見よりもはるかに複雑です。

 

なぜなら、食事中栄養素化合物は、私たちの細胞のコミュニケーション方法や、私たちの遺伝暗号どのように表現されるのか、ということにも影響を与えるからです。

 

 

リファレンス(英語):

Nicodemus-Johnson J, Sinnott RA. Fruit and Juice Epigenetic Signatures Are Associated with Independent Immunoregulatory Pathways. Nutrients. 2017; 9(7):752.

 

 

出典:Ask the Scientists

WHOLE FRUIT VERSUS FRUIT JUICE: YOU ARE WHAT YOU EAT (AND DRINK)

askthescientists.com

 

※読みやすい日本語文にするために、科学記事の翻訳に際して許容範囲内で加筆または付記させていただいた箇所があります。本記事に関する内容は原文を優先します。原文につきましては上記の英文記事をご覧ください。

 

 

 

翻訳執筆に添えて:エピジェネティクスとは

 

今回の記事で登場するエピジェネティクスについて、もう少し、噛み砕いて、わかりやすく説明してみましょう。

 

エピジェネティクスは、遺伝暗号の変更というよりも、その遺伝暗号どう表現するかによって生命体変化することについての研究です。

 

たとえば、ここに、音楽の楽譜があったとしましょう。

 

その楽譜をどのように演奏するかは、演奏する人に委ねられています。

 

フォルテッシモでとても強く演奏する、ピアニッシモでとても弱く奏でる、ジャズやボサノバのように弾いてみる・・・、など、さまざまな演奏表現ができます。

 

同じ楽譜であっても、演奏の仕方が変われば、表現が変わります。

 

同様に、遺伝暗号をどう演奏するか、つまり、どのように遺伝子発現していくか、ということは、一人一人のライフスタイル、生活習慣、食事、運動、睡眠など、さまざまな要因によって変化していく可能性があります。

 

今回のレポートでもあるように、最新の科学的研究から言えることは、栄養摂取の仕方となる、ということです。

 

これにより、楽譜(遺伝暗号)を書き替えるということよりもむしろ、その表現方法遺伝子発現)が変化します。

 

遺伝子発現が変わると、生命体に変化が起こる。

 

これが、エピジェネティクスに関する研究になります。

 

  

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あなたが、食べたり飲んだりしているものは、細胞へのコミュニケーションであり、細胞メッセージシグナル)を送信していることになります。

 

真の健康は、あなたが何を選択するか、ということによって、変わっていきます。

 

今回の翻訳記事が、栄養をどのように摂取するか、毎日の食事健康維持を考えるうえでの一つの機会になるのであれば幸いです。

 

 

 

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