グルタチオンは、あなたの身体の中でH2O(水分子)の次に多く存在する分子です。
特に肝臓の中で多く作り出され、解毒作用があり、細胞を保護するために惜しみなく電子を与え続けます。
今回の記事では、USANA社の科学情報サイト:Ask the Scientistsの上席編集長:デビッド・ベイカー氏の執筆記事をもとに、グルタチオンの5つの秘密についてお伝えします。
出典:What' Up USANA
5 Reasons Why Glutathione is the Best
David Baker June 20, 2017 Scientifically Speaking
これから、私(デビッド・ベイカー/David Baker)の愛するグルタチオンについて、お話をしましょう。
グルタチオンは、本当に重要で、素晴らしい分子です。
しかしながら、非常に重要な分子でありながらも、これまであまり重要視されてこなかった分子でもあるのです。
この記事を読み終えた頃には、その働きをご理解いただくことで、きっと、あなたも、グルタチオンが大好きになるかもしれません。
グルタチオンは自家製の抗酸化物質
グルタチオンは解毒分子
グルタチオンは、人体の中で作り出される、驚異的な自家製の抗酸化物質です。
そして更に、グルタチオンは重要な解毒分子でもあります。
グルタチオンは、主に肝臓の肝細胞において、薬物や毒物などの異物を水溶性に変えて、身体の外へと排出する薬物代謝酵素であり、解毒作用を行う分子です。
グルタチオンが主に肝臓の肝細胞で行っている代謝の作用のことを、再生解毒作用、代謝解毒第Ⅱ相 (recreational toxification) 、または「グルタチオン抱合と言います。
グルタチオン抱合とは
グルタチオンの主な働きは、解毒作用です。
そして、グルタチオン抱合という作用があります。
簡単に説明すると、グルタチオンは、細胞の中で毒素を見つけると、その毒素を包み込み、水に溶ける状態に変化させ、水溶性にします。
グルタチオンによって抱きかかえられた毒素は、グルタチオンと一緒に細胞の外へと押し出されます。
このようにして、グルタチオンは、毒素が再び細胞の中に毒素が入らないようにします。
毒素と一体化したグルタチオンは、もとの細胞に戻ってくることは、ほとんどありません。
グルタチオンのおかげで、毒素が、あなたの身体から外へ、排出されるのです。
この一連のプロセスを、主にあなたの肝臓の肝細胞で、グルタチオンが行ってくれています。
これが、代謝解毒第Ⅱ相、つまり、グルタチオン抱合と呼ばれる解毒作用です。
あなたの体内で最も過小評価されたトリペプチド、
それは3つのアミノ酸で構成された小さなタンパク質を表す専門用語ですが、
これに関する5つの秘密があります。
以下、その秘密をご紹介します。
グルタチオンの5つの秘密
① あなたの体はグルタチオンに満ちている
あなたの体は、主に、水分子 H2O で出来ています。
平均的には、人体の約60%が水分として身体の中で流れています。
しかし、グルタチオンは、水分子の次に多く存在する分子です。
そして、それは、体中のいたるところにある水溶性抗酸化物質です。
グルタチオンは、あなたの細胞のすべての中に含まれています。
そして、グルタチオンは、肝臓に最も集中して存在しています。
肝臓には、ほかの体のどの部分よりも7倍から10倍も多く、グルタチオンが存在しているのです。
これは理にかなっていることです。
なぜなら、肝臓は、解毒に関わる臓器であり、グルタチオンはこのような解毒の自然なプロセスには極めて重要なものだからです。
② あなたの体はグルタチオンの生産工場
あなたの体の中では、グルタチオンが作り出されています。
あなたの身体はグルタチオンの生産工場であるということは、単にグルタチオンを作り出すということだけに留まりません。
身体は、内因性抗酸化物質と呼ばれる、体内で産生される自家製の抗酸化物質を作り出す必要があります。
そして、内因性抗酸化物質は、たくさん存在しています。
食事を摂るだけでは、グルタチオン分子を体内に取り入れることはできません。
なぜなら、グルタチオンはタンパク質だからです。
あなたが食べたタンパク質は、体内でアミノ酸に変わります。
身体へ取り込まれたタンパク質は、代謝によって、最も基本的な構成要素であるアミノ酸に分解されます。
なので、タンパク質であるグルタチオンを食品から摂取したとしても、体内でアミノ酸に分解されてしまうため、
摂取した分だけ体内にグルタチオンを取り入れることができるとは限らないのです。
グルタチオンの産生は、2つの酵素を作り出す遺伝子のスイッチをオンにすることによって刺激され、生成が行われます。
グルタチオン産生がどのくらいのレベルか、ということについては、アミノ酸システインの量によってコントロールされています。
あなたの身体は、グルタミン酸とグリシンという2つのアミノ酸をシステインに加えることによって、グルタチオンを作り出します。
そして、あなたの身体は、フリーラジカルを還元し、活性酸素の有害な作用を抑制するという、解毒作用における素晴らしいトリペプチドを得ることができるのです。
③ グルタチオンは惜しみなく電子を与える思いやりの分子
グルタチオンは、優れた抗酸化物質であり、解毒物質です。
なぜなら、それは、常に電子を放出し続けているからです。
この電子輸送 (electron transfer)のメカニズムによって、
グルタチオンやほかの抗酸化物質は、酸化物質を還元することができるようになります。
グルタチオンは、電子を豊富に持っています。
グルタチオンは、自らの電子を、電子を失って不安定な状態になってしまったフリーラジカルに、惜しみなく与えることができます。
この意味において、還元型グルタチオンは、電子供与体であると言い換えることもできます。
電子を与え続けることによって、グルタチオンは、フリーラジカルを安定分子に戻すことができるのです。
フリーラジカルがあなたの体内で増えてしまうと、それは不安定な分子であるため、細胞内部で暴れまくり、細胞膜や核酸などを傷つけてしまいます。
あなたの身体の中でフリーラジカルが不必要に増えないようにすることが、健康維持の秘訣でもあるのです。
そして、そのために、
グルタチオンは、
惜しみなく、
思いやりをもって、
電子を与え続けるのです、
あなたの真の健康のために。
グルタチオンの思いやり深さは、フリーラジカルから細胞を保護するのに役立ちます。
また、それは、肝臓が解毒作用を行うのためにグルタチオンを必要不可欠なものにします。
グルタチオンは、毒素を除去するために、体内の有害物質に目印を付けて、毒素を水溶性に変えるための作用を引き起こします。
水溶性になった毒素は、細胞の外に出され、やがて身体の外に排出されます。
一度、細胞の外に押し出された水溶性の毒素は、再び細胞の中に戻ることはほとんどありません。
このようにして、グルタチオンは、あなたの身体から有害な毒素を洗い流すことができるのです。
④ グルタチオンの3つの形体
グルタチオンには、3つの形体があります。
第一形体:GSH
還元型グルタチオン
第二形体:GSSH
酸化型グルタチオン
第三形体:GS-X
グルタチオン包合体
ほとんどの人々が「グルタチオン」と言うとき、実際にはGSHについて話しています。
GSHは還元型グルタチオンの正式名称であり、分子の作用形体です。
GSH、還元型グルタチオンは、いそがしく働いています。
私はこのように覚えています、
「還元型グルタチオン(GSH)は、フリーラジカルの危険性を減らす働きをしている」
と。
では、その働きが終わると、どうなるのでしょうか?
グルタチオンは、電子を放出し続けると、電子が減ってしまい、還元作用が失われてしまうのでしょうか?
実は、そうとも言えないのです。
まず、還元型グルタチオンは、電子供与体として電子をフリーラジカルに与え続ける過程で、
酸化ストレスに曝されてしまい、
GSSH、つまり、酸化型グルタチオンになります。
その後、まるでサービス残業をしてくれるかのような、もうひとつのグルタチオンであるグルタチオン・レダクターゼと結合します。
これをグルタチオンと呼ぶことができるかどうかは、ぎりぎりのラインなのかもしれません。
グルタチオン・レダクターゼは、酸化型グルタチオンを還元型グルタチオンに変換する酵素です。
還元型グルタチオンが酸化型グルタチオンに変換されるためのハングアウト・セッションは短いのですが、
グルタチオン・レダクターゼと呼ばれる酵素が、その集まりを破壊します。
グルタチオン・レダクターゼと呼ばれるこの酵素は、わずかな電子を引き渡し、電子の対を分割します。
これにより、再生された2つのGSH分子が、以前の作用に戻され、再び、還元型グルタチオンとして甦るのです。
グルタチオンの第三形体は、GS-X、グルタチオン抱合体という、非常に格好いい名前が付けられています。
けれども、それは、「X」という文字が示唆しているほどエキサイティングでも神秘的でもありません。
結局のところ、GS-Xは、タンパク質や毒素に付着したグルタチオンに過ぎません。
そして、このGS-X、グルタチオン抱合体こそが、冒頭で説明したものになります。
毒素を包み込んだGS-Xは、細胞の外へと排出され、
自らも身体の外へと毒素と一緒に排出される解毒作用、
グルタチオン抱合を行ってくれるのです。
⑤ グルタチオンでいっぱいということにはならない
先ほど、あなたの身体はグルタチオンの生産工場である、と述べましたが、実は生産し過ぎるということはありません。
グルタチオン自身がそうさせないのです。
グルタチオンは明らかにベストな分子なのですが、
この控えめな分子は、自分自身の容量レベルがマックスに達すると、
更なるGSHの産生を遅らせるよう、プログラムされているのです。
この一般的な生物学的原理を、
フィードバック阻害
(feedback inhibition)
または、
フィードバック制御
と呼んでいます。
これを簡単に言うと、
体内で何か生成されるとき、その濃度あるいは密度が高くなると、その生産プロセスをオフにしてしまう、
ということです。
そうやって、私たちの身体は、良いものを必要以上に作り出さないようにしているのです。
この良いものには、 GSH、還元型グルタチオンも含まれます。
おまけ:グルタチオンはワインを醸造します
・・・もちろん、勘の良い読者の皆さんなら既におわかりのように、「ワインを醸造する」というのは、解毒作用の反対の意味になります。
しかし、私は、それこそが、ワイン醸造と解毒作用の手助けとなるグルタチオンがどれほど偉大であるか、ということを物語っていると思うのです。
グルタチオンには、ワインのフルーティーな香りを保ち、変色を防ぐ働きがあります。
ブドウには、天然のタンパク質が含まれています。
この天然のタンパク質の中に、グルタチオンが含まれているのです。
そして、ワインができあがるまでの果物の発酵期間、発酵途中のワインの中に含まれるグルタチオンは、酸化と闘っています。
体内で起こるのと同じように、ワイン醸造におけるGSH、還元型グルタチオンは、
発酵中に作られた様々な好ましくない化合物と結合し、還元させ、その化合物の効力を無効にします。
このように、ワイン醸造について考えてみると、実はそれと同じことが、あなたの身体の中でも起きているのです。
グルタチオンは、体内に存在する分子の多様性の一種であり、これまで、最も過小評価されてきた分子です。
しかし、長年に渡り、グルタチオンを研究してきた私としては、
グルタチオンが行っている解毒作用のことを思うと、
どうしても、グルタチオンを深く思い遣り、ねぎらいたかったのです。
なので、今回、この記事を執筆しました。
もしも、あなたがも、私のようにグルタチオンを愛するのであれば、あなたには、更なるグルタチオンに関する情報が必要なはずです。
では、この後、私のお気に入りのトリペプチドについて、今後の記事で更に詳しくお伝えしていきたいと思います。
デビッド・ベイカー
5 Reasons Why Glutathione is the Best
David Baker June 20, 2017 Scientifically Speaking
出典:5 Reasons Why Glutathione is the Best
原文の著者について
デビッド・ベイカー:シニア・マネジング・エディター/上席編集長
David Baker: Senior Managing Editor
https://askthescientists.com/about-us/
デビッド・ベイカー氏の新聞雑誌ジャーナリズム(ユタ州立大学の科学学士号)の経歴は、2009年に彼をUSANA社の創造的な部門の仕事へと導きました。彼は、2017年まで、USANA社のコーポレート・コミュニケーション部門で働いていました。
ベイカー氏は、ユサナ・インセリジェンス・テクノロジーとユサナ・セルセンシャルを含む、2017年に新発売された製品の多くと、それらの背後にある科学について執筆してきました。Ask the Scientistsの科学的なトピックへの取り組みと、NPRのラジオ番組「Science Friday」の経験により、デビッド・ベイカー氏はUSANA社の健康科学教育チームに移籍しました。
今、彼は、AskTheScientists.comで記事編成をスケジュールし、執筆、編集しています。また、彼は、ニュートリション・スポットライト・ニュースレターを作成し、コーディネートしています。
*読みやすい日本語文にするために、科学記事の翻訳に際して許容範囲内で加筆または付記させていただいた箇所があります。より正確な情報については原文を優先します。原文につきましては出典の英文記事をご覧ください。
*このウェブサイトに掲載しているUSANA関連情報は、ユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン合同会社 (USANA Health Sciences Japan LLC)の承諾を得て掲載しています。
参考記事:
*ユサナは、最高品質の製品を製造し、その内容成分量を保証しています。ご自身やご家族の皆様に正規品をご利用いただくため、ユサナ製品は、ユサナアソシエイトまたはUSANA.comからご購入いただきますよう、お願い申し上げます。
*本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
*この文章は食品医薬品局(FDA)の評価を受けておりません。この製品は疾病の診断、治療、治癒、予防を目的としたものではありません。